「メダロット、それはテクノロジーが 生み出した
まったく新しい ロボットである。
ティンペットと呼ばれる基本フレームに、
人工知能メダルを搭載。
さらに、様々なパーツを合体させることによって、
無限の能力を引き出すことが出来るのだ。」
遠くない未来、「メダロット」は世界的に普及し、
人間のペットロボット、いや、良きパートナーとして共に過ごしていた。
しかし時が進むにつれ、メダロットの野良化が深刻化。
一部の野良メダロットと人間が対立することも増え、「野良狩り」も行われるようになっていった。
そんな最中、ごく一部の野良メダロットの間で結成された秘密組織があった。
人里離れた地で、野良達が起こした事件を密かに解決するために生まれた組織。
この活動は、事件の発展を食い止め、間接的に「野良狩り」を防いでいることになる。
時は、その組織が人間への復讐を謀る謎の組織のうちのひとつの大きな集団を壊滅させた後。
そのような団体の活動を凍結させるべく、彼らは日々戦っていた。
そのチームの指揮官、そしてこのゲームの主人公でもある「 ロクショウ 」。
彼がとある任務をこなしている時のことだった。
「ガガッ―ロクショウ、話がある。今すぐにL-06に来てくれ。―ガッ」
唐突に、本部から直に連絡が入った。
普段は上から直々に通信は入らないし、
ましてや任務最中に、召集命令を掛けられるなんてことは考えられなかった。
そんなことがあるのは、緊急指令要項があった時のみ。
任務を切り上げ、目標地点に向かう。
前回の単独任務に就かされた時もこの召集のされ方だった。
悪寒が背筋を凍てつかせる。
―…似ている・・・似すぎている…。
そのシチュエーションは、そして息が詰まりそうなこの重々しい雰囲気は、あの時とあまりにも似ていた。
L-06に到着する。
そこであるものを見せられた。
「…これは…?」
「赤の宝玉、フユーンストーン、の欠片だ。細かい説明は不要だとは思うが・・・」
「ふ、フユーンストーン?何故今更そんなものが?」
話には聞いたことがあったが、現物を目にするのは初めてだった。
フユーンストーン・・・「転送」の力を司る、サイプラシウムの上位種。
前例に基づいて言えば、この石にはタイムトラベルや、巨大要塞の浮遊などの力があるようだった。
特別に綺麗、美しい、と感じたわけでもなかったのに、私は気づけばそれに魅了されていた。
彼の声でふと我に返る。
「今回の任務は、各地に散らばっているであろう、フユーンストーンの欠片の回収だ」
「各地に散らばっている?」
「理由は分からない。が、確かにフユーンストーンと思われるエネルギー反応が
最近になって突然確認され始めてきたのだ。それも、無数に」
「余計なことは考えなくてもいい。
フユーンストーンの持つ力はまだ未解明であり、制御ができない。
それ故、野良の彼らの手に渡ってしまうと・・・分かるだろう?
君はそれを食い止めるために任務をこなせばいい」
「…了解」
不可解なこともまた無数にある。
しかし、彼の言うことからも分かるように、一刻も猶予はない。
私には走るしか道はないのだ。
それが無謀な任務であることも、この石には秘められた力があることも、知らずに…
無数に散らばる赤の破片…
壊れゆくメダロット達…
暗躍する黒い影…
全ての謎は石にある!
石を集め謎を解き明かせ!
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